<< 極上の寝心地 1980's ステファンソン・ウォームライト STEPHENSON‘S WARMLITE Sleeping Bag “Triple Down Filled Sleeping Bag” | main | Marmot Mountain Works 水に浮くGore-Tex Sleeping Bag『GOPHER』の洗濯 >>
The North Face ノースフェイス最大のヒット『SIERRA PARKA』の原点探訪
JUGEMテーマ:アウトドア用品
The North Face最高の販売数を誇ったのはSIERRA PARKAでしょう。
1960年代のカタログに「SIERRA SWEATER」の名前で掲載され、モノクロカタログ最終版の1970年頃には名称も「SIERRA PARKA」となり、細部の改良を加えられながら20数年の長きにわたり製造されたのは、ダウンジャケットの完成形だったからでしょう。
販売初期は後に販売されるSIERRA SHORT JACKETに近い形状、ハンドウォーマポケットのみのさっぱりしたデザインでした。
North FaceがDown Filled Double Pocketと呼ぶダウン封入フラップハンドウォーマーポケットの装着、リップストップの採用は1972年となります。
初期はナイロン製、袖口の温度調節用に刻印の無いスナップボタンが2個(後に刻印入りドットボタン)、ジッパーは贅沢なOPTULONコイルジッパー(後にYKK→経年劣化の激しいTALON→YKKビスロン)、アロータックと呼ぶ補強のバータックの▲形状はNorth Face製品である証に、ヒートロスを防ぐドローコードは裾部(後にウエスト部へ変更)と完成度を高めたSIERRA PARKA黎明期の原形モデルが今回の初期型SIERRA PARKAです。
当初よりダウンフードは別売り(付属のダウンフードは紛失、などと記載されてオークションやセコハンショップで販売されている場合は第一所有者では無い証でしょう)、サイズも2種類あり最晩年にSEROWと共通になってしまいます。
この記事に対するコメント
ノースフェイスのあらゆる事すごい勉強になります!
1つ教えていただきたいことがあります。
ノースフェイスセロウダウンジャケットの事なのですが…
80年代のものだとおもうのですが(made in usa 記載)サイズはSで、感じは日本サイズのMくらいでちょうどいいサイズなのですが袖寸が少し短いです。
なにか意味があるのでしょうか?
お尋ねの件ですが、袖の長さに特別の意味は無いと思います。
アメリカ人は日本人より腕が長いので、US規格の製品は袖が長く感じる場合が殆どです。
US規格製品は日本人規格より人サイズ大きいと言われますが、1970〜1980年代初期のUS規格サイズは現在よりもワンサイズ小さいので、今日本規格でM着用でしたら、古いNF製品んはMでも良いかと。
シェラパーカーは1980年代後半に袖が長くなり、1ブロック増えているので見分けが付きますが、セロウの改良があったのかは不明です。
また、カッティング時の生地ズレで1サイズ小さく完成する個体も散見されます。
いずれにせよ、サイズ表示は目安ですので、着用してから自分に合ったサイズを購入すると良いと思います。
土っとボタンが6つと7つがあるような気がしますが・・・ショートモデルなどがあったのでしょうか?
SIERRA PARKAと丈の短いSIERRA SHORTの事かと思います。
上記の写真で違いが分かると思いますが、SIERRA SHORTの方が羽毛が少なく、バッフルが多いデザインで袖口の形状が違います。
ドットボタンの数はSIERRA PARKAの場合、アバウトですが初期は6個、中期は7個、後期が8個(サイズにより個体差もあります)
と増えました。
後期のSIERRA PARKAは袖もバッフル一つ増え、袖が長くなりました。
また、初期のSIERRA PARKAのドローコードは裾にありましたが、その後インナードローコードへ位置が変わります。
後期モデルはインナーがナイロン、ジッパータブにNORTH FACE刻印が入りYKKデルリンジッパーへと変更されましたので、年代により違いがあります。
バッフル縫い目が表面に出ていないモデルはSELOWの記事をご覧下さい。
SIERRA PARKAの情報ありがとうございます。とても参考になりました。
クラシックアウトドアウエアが好きで、最近このブログを知りました。とてもお詳しく、文章や資料も味わい深く、楽しく拝読させていただいております。
さて、最近70年代後半と思われるserowのロクヨンクロス、ネイビーを購入いたしました。フードがついており生地はボディ同色のロクヨンなのですが、裏地がタンカラーです。本体の裏地はネイビーなのですが、このような時期があったのでしょうか?ボディとフード、若干色合いは異なりますが、違和感あるレベルではありません。
もし、ご存知でしたら、ご教示いただきたく、お願いいたします。
SEROWは初期のモデル(刻印の無い、二本爪では無いスナップボタン、フラップポケットのフラップが▽型でボタン付き)にはBLUE OUTER/W/TAN OR BLUE LINERと1972-1973カタログに記載あり、別売りのDOWN HOODSはPARKA名と色、フードサイズS、Lをオーダーする旨記載されていますので、旧タイプのSELOW+旧タイプフード、若しくは次のタイプのSELOWに旧タイプのBLUE/TANフードの組み合わせではないでしょうか。
お手持ちのフードの生地が60/40、ダウン封入が間違いなければ、そう推察致します。
旧タイプSELOWでNAVYアウターに裏地TANは見た事ありませんので、ハルさんのご質問無ければ気づきませんでした。
貴重な情報ご教示いただき、感謝申し上げます。私のserow、made in u.s.a表記無し、ykkコイルジップ、本体・フードともにNORTH FACE刻印のメタルボタンです。フードはロクヨンクロスのダウン入りで間違いありませんので、過渡期の仕様なのかもしれませんね。
もともとシエラデザインズの70年代初期inyo parka(フード付きスコーヴィル無刻印スナップボタン、グリーン)を長年所有していて、それと比較しているのですが、ノースのserowのほうが細部の仕様や作り込みがしっかりしていますね。ロクヨンの生地の取り方もノースは織目を縦にとっているのでシャープな印象、シエラは横にとっていて柔らかな感じ、色々な違いがあって面白いです。
BLUE/TANは2年程しかありませんので、希少性があると思います。
仰る通り、1970年当時僕もSIERRA DESIGNSとの対比しながら購入を吟味したものです。
マウンテンパーカと同じ袖形状のSD INYO、ダウンが袖先まで入っているNF、襟の高さ、襟の形状、色合い等々、同じエリアで創業した両社は何かと比較する存在でした。
個人的にはNFの60/40MOUNTAIN PARKAが短期間使っていたSTEEL BLUEと、同生地を使ったSELOWの発色が好きです。