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ダウンジャケット DOWN JACKET の原点。The North Face "SIERRA PARKA" ノースフェイス・シェラパーカ

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The North Face “Sierra Parka”(1) モノシリ沼 555nat.com

1968年の創業時のカタログにこそ掲載されていませんでしたが、お馴染みのThe North Faceロゴになって初めてのオリジナルダウンジャケットとして1969年総合カタログに登場したのが、このSIERRA PARKA/シェラパーカです。創業時のカタログにはSIERRA SWEATERとして掲載されています。

この時のシェラパーカはお馴染みのフラップ付きポケットの付いたデザインではありませんでした。簡単なハンドウォーマー風ポケットのみの簡素なデザインからアメリカンスタイルのダウン入りハンドウォーマーやフラップポケットの採用は1970年代初頭、65/35生地採用モデルは1977年まで待たねばなりません。

 ジッパーはYKK社製。表地、裏地共、同社テントの素材と同じ1.9オンスのリップストップナイロンはダウンプルーフの為のKenDown(加熱ローラー)と防汚のZepel加工され、フィルパワー550、約10オンスのグレーグースダウンをシングルキルト縫いで封入。縫製はアウトドアメーカーの証し「ダブルステッチ」。
 
1977年度アメリカ国内のダウンパーカー占有率がThe North Face/ノースフェイス1社で42%!であることを考えると、まさに会社の基礎を作り上げた製品といえるでしょう。事実1970〜80年代に何社ものブランド、メーカーがダウンジャケットの基本形として模倣し、ダウンジャケットの原型となりました。

1975-1976年総合カタログで掲載されていたカラーは5色。我々の年代が知っているのはNavy Blue、Bright Green、Redですが、綺麗なChiantiや1980年代に復刻モデルで販売されたBrownで展開されています。(別売りのフードは1977年頃まで、Small、Mediumのサイズがありました。)

当初採用されていたボタンは「The North Face」の刻印が無く、一回り小さいスナップ系ボタン。ウェストドローコードも裾に入っており古さを感じさせます。セットインスリーブと袖に付く2個のドットボタン、フラップにもダウンが入ったハンドウォーマーポケット、ジッパーフラップにもダウンを封入し、一番の特徴である角が取れた高めの襟にたっぷりのダウンはヒートロスを無くすと共に洗練されたデザイン、力の加わる個所には必ず▲型バータックが他社製との違いでした。The North Faceロゴも裏地のタグとボタンのみで、やたらに露出している昨今とは違い上品なダウンジャケットのトラディッショナルモデルの名に恥じません。

左右が逆な日本製ジッパーとの違いも使ってみれば持ち手を変えることなく合理的。1970年代「空気を着る」のキャッチコピーと共に初めてのダウンジャケットとの遭遇は軽さ、暖かさと共に驚異的でした。途中、YKK社製ジッパーからTALON社製ジッパーへの変更は、TALON社製品特有の短時間での経年劣化による破損が続出。The North Face痛恨の失敗である事に気付くのは、SIERRA PARKA(リップストップ生地)販売終了後。何とも皮肉な結末です。
Sierra Design社の60/40マウンテンパーカ同様、本国での販売が終了した後も日本向けに製造が続いていましたが、最終的にMade in USAのまま製造中止になったのがせめてもの救いと言えるでしょう。

The North Face “SIERRA PARKA” モノシリ沼 555nat.com (2)
The North Face “SIERRA PARKA” モノシリ沼 555nat.com (3)
tnf-sierraparka1969- モノシリ沼 (4)
tnf-sierraparka1969- モノシリ沼 (5) 

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この記事に対するコメント

懐かしいな。このシェラパーカ。
「パーカー」じゃ無いんだよね。「パーカ」。

当時、日本橋のダボスでリップストップのネイビーのダウンベストのMサイズを買って大きかったので、この際だから本格的なパーカをと思って交換してもらい追い金を払って買いました。
値段が値段なので無理して買った記憶があります。

性能的にはその上にセロウがあってこれまたかカッコ良かった。そう、60/40のやつ。生地も独特の艶があって・・・
甲状腺野郎 | 2011/12/18 6:01 PM
追伸

ワタクシが買ったのは表がタン、裏がオレンジ。
この配色も素晴らしかった。
アメリカ人の美的センスには脱帽です。

買って暫くは背中のダウンが潰れてしまうのが嫌でシートに寄りかかるのは止めていました。

あ〜、こんな事をコメしていたら欲しくなってきた。

人が見たら背筋を伸ばして座っている変なヤツだっったかも知れません。

良い思い出です。
甲状腺野郎 | 2011/12/18 6:14 PM
甲状腺野郎 さん、お立ち寄り頂きありがとうございます。
「パーカー」では無く「パーカ」、「シュラフ」とは言わず「スリーピングバッグ」、「ペンドルトン」を「ペンデルトン」・・・・1970年代に日本に紹介された呼称を使うのは当時10代後半、現在50歳代と判明してしまいますね。
1976年頃の日本国内での価格Sierra Parka 65/35 35.000円、Rip 32.000円、Serow 43.000円・・・毎年価格が上がってましたので、今の感覚では数倍に感じられたと思います。
当時、高価だったダウンジャケットを手に入れた嬉しさは思いを共有できますが、新品を今購入してもあの頃の様な喜びはもう得られませんよ、きっと。
synergy works | 2011/12/19 10:07 AM
ジッパーは最初、YKKだったんですね。
65/35生地も、77年からだったなんて。
当時の日本のサラリーマンの平均月収が5万円と聞きましたから、どれほど高額な商品であったかが伺えます。
それでも、made in USA の言葉の魔力には、当時を知らない私でもそそられるものがあります^_^
ありがとうございました。
とても勉強になりました。
まる | 2014/12/10 4:20 PM
2005年頃に復刻されたmade in USAのシェラパーカを当時試着したんですが、とても暖かかった…
感動した記憶があります。
あれはどれぐらいのフィルパワーだったんだろう?
価格は6万円で、当時はセロウも復刻されていました。
当時は、シェラデザインがブランド創立40周年を記念して色んなアイテムを出していて、そっちに目がいってしまい、買い逃して悔しい思いをした記憶があります。
まる | 2014/12/10 4:34 PM
まるさん、お立ち寄り下さってありがとうございます。
ジッパーはYKK→TALON→YKKとなりましたが、まるさんが仰っている「復刻版」の頃はこのYKKでありながらも当初のコイルジッパーからデルリンジッパーへ変更されていました。
アウトドアメーカーは多少の故障があっても開閉の出来るコイルジッパーを採用し、歯が欠けると動かなくなるデルリンジッパーは敬遠していた時代から隔世の感がありました。

その他、ブルックスレンジの裏地のみの仕様だったリップストップのゴールドをシェラパーカ、セロウに使い(80年代セロウはナイロン裏地)違和感を感じたものです。
Made In USA製でしたが、フードは悲しい中国製・・・裏地のリップストップもチープな触感でありました。
フィルパワーはグレーグースダウン550だと思います。
今となってはトラディッショナルなテイストも新鮮ですよ。
温故知新をお楽しみ下さい。
synergy works | 2014/12/11 2:47 PM
管理人さん、お答え頂いてありがとうございます。
とても勉強になります。

私はまだ30代ですが、いいモノ(本物)に溢れ、いい時代を生きてきた管理人さんたちが本当に羨ましいです。

まだまだ知らないことばかりですが、宜しければ、その時はまたお願い致します。
まる | 2014/12/19 11:03 PM
まるさん、こんにちは。
稚拙な温故知新ブログですが、お気軽にお立ち寄り下さい。
synergy works | 2014/12/21 9:18 AM
はじめまして こんにちは
最近古着屋でこのダウンジャケットを購入しました。

私が購入したカラーは明るめのグリーンですが暗めのグリーンもあるようですね。ディテールは裏地と表地は同色、MADE IN USA表記なしの茶タグ、リップストップナイロン生地、スナップボタンに刻印あり、YKKダブルジップです。
およそ50年まえのモノとは思えないくらいダウンもパンパンに詰まっていてとても温かいです。
ノースフェイスは素晴らしいプロダクトを生み出す良い会社ですが現行の製品はあまり好きではありません。無論ゴールドウィンの製品はもっと好きではありません。

このブログに出会って製品の時代背景や詳細そしてプロダクトについて知ることができとても良かったです。大事に着続けます。
ありがとうございました。
wakazou | 2019/01/28 1:43 AM
管理者の承認待ちコメントです。
- | 2019/07/23 10:01 PM
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