ノースフェイス・フロントオープンバックパックの傑作。The North Face ”CREVASSE”
1980年登場のThe North Face社「CREVASSE」。フレーム式バックパックからアルパインスタイルのトップローディングへの変換期、The North Face(以下TNF)社の最後のフロントオープン式バックパックです。1980年初頭はTNF社カタログにもサイズ表示がインチ⇔センチメートルと表記され、容量表示も分かりやすいインチ⇔リットル、重さもポンド⇔キログラムと併記、日本人にも分かりやすくなったのは、多国間へ展開していく時期だったのでしょう。
「CREVASSE」には容量と体型別に「S(Regular)」「L」「XL」3種が用意されていました。TNF社の大型バックパックはフロントパネルに一気室のポケットが「伝統」でしたが、アルパインスタイルのバックパックには左右2個の縦長ポケットが装着されました。「CREVASSE」本体はシンプルな一気室ですが、フロントパネルの外部ポケットはアルパイン型パック譲りの縦長2個が装着され、まさに過渡期のハイブリットデザイン。この頃のウエストベルトとしては珍しくバックルは採用せず、ベルクロで調整するのがTNFスタイルでした。
背負い心地はTNF伝統の少し硬めのセッティング。車で例えるならドイツ車風、アメ車的な柔らかいセッティングの背負い心地のJANSPORT愛用者には少々違和感がありました。
それに比べてウエストベルトはフレシキブルでアメ車的。この異なる味付けはTNF社の創業時の生い立ちがヨーロッパ製品の模倣から始まっているのを考えると理解出来るかもしれません。
「Breathing Panels」と名付けられた背中部とパックの間の通気性を補助するパーツは経年劣化でスポンジが風化したものの、使いやすいフロントオープン、アメリカ的な色の“RUST”との組み合わせは捨てがたくスキー旅行等いまだに現役です。
この記事に対するコメント
やはり、背面のメッシュ部にあるスポンジが…
しかし、パッドはしっかりとしていました!
個人的には、フロントオープンなのがアメリカっぽいなと。
随分前に後輩にあげちゃいました、まだ手元にあって使ってなければ引き取ろうと思っています。
懐かしさが込み上げてきましたw
バックパッキング入門世代、JanSportのDシリーズでフロントオープンの使い勝手の良さが身に付き、トップローディングタイプは好みではありません。
スポンジはVE−24(改?)で消えたスペーサーと同じ素材だったかも知れませんね。
これまたきれいサッパリと風化したものです。
NFの製品って(USA製の)ダウンベストのゴムも劣化し何度も自費交換しましたが、ナイロン製品の臭いウレタン劣化等なんとも「味」のある製品が多いです。
こころより感謝いたします。
1970年代はアメリカ製品との遭遇に新鮮な驚きと畏敬の念すら感じたものです。
当時を思い出して頂けるとは誠に嬉しく思います。
まだまだ御紹介したい往年のEQUIPMENTがあるのですが、自身の経年劣化で更新が出来ません。