1970年代オールドスクール。The North Face ノースフェイス・ダウンシャツ
いくらなんでもこれだけは着るまいと思っていた製品が、The North Face社の「Down Shirt/ダウン・シャツ」だった。
他のダウン製品は皆、いわゆるヘビーデューティな雰囲気を醸し出していたのに比べ、「ダウン・シャツ」といったら出来の悪いウェスタン・シャツといった感じ。物欲はまったくそそられず。ノースフェイス製品中、断トツの駄作と思っていた。
「ダウン・シャツなんて買う気も起こらないよなあ。」
1970年代当時の若かりし頃は、The North Faceカタログを眺めたときも、お店で現物を目にしたときも、まったく買う気にはならなかった。1980年代に入り、ふらっと立ち寄った日本橋の某有名老舗アウトドア店で、上代28,000円だったダウン・シャツがワゴンセールで半額以下の10,000円くらいで売られていたことを記憶している。
ところが、人間の趣味趣向というのは年月を経て変わることもある。
地球温暖化が進む日本の冬にダウン・ジャケットではちょっと暑過ぎる。しかし、アメリカ西海岸文化に洗脳された1960年代生まれのアウトドア好きとしては、すんなりとダウン信者から足を洗う”潔さ”はない。ならば、薄手のダウンウェアといのはどうか。そんなライトウェイトのダウンウェアを探していたら、ちょうどいいアンバイのものが見つかった。1977年製The North Face社製「ダウン・シャツ」である。
The North Face社製「ダウン・シャツ」と言っても、長年嫌っていたあのペラペラナイロン素材のダウンシャツ(こちらは正式には「Stuffed Shirt/スタッフド・シャツ」というノースフェイス社の製品でした)とは素材が違った。ポリエステル80%+コットン20%の80/20クロス素材。嬉しいことにチープな感じはしないが、カタチはウェスタンシャツだから、オールドスクールなアメリカン・スタイルに変わりはなかった。
まあ、自分もオールドスクールのアメリカ西海岸好きの人間だから、それも良しとしなければならないか。
The North Face社「Down Shirt/ダウン・シャツ」(ナイロン80%+コットン20%の素材)は1977年秋に発売された。カラーは「ネイビー」と「フォレストグリーン」の二色。同社の定番ダウンジャケット「シェラパーカ」では少し暑過ぎる気候のときや、ウール・セーターでは少し肌寒く感じるような時期に着ることを想定してつくられたダウンウェアだ。しかし残念ながら1年か2年の短命で廃盤になってしまったところを見るとデザインが悪すぎたのかもしれない。
そんな1970年代生まれのThe North Face社ダウン・シャツは30数年の時を越えて、2010年冬の東京で大活躍中。個人的にはたいへん重宝させていただいております。
この記事に対するコメント
私も最近ダウンシャツが気になり検索してたのたどり着きました。
30半ばですか、昔はダウンシャツはゆるせなかった。何の変化が大変便利なアイテムと思い探してます。昔からノースが好きなので☻
なかながコメント失礼しました。
お立ち寄りいただきありがとうございます。
4年ほど前の古い記事にもかかわらず、同じような心境を共有できる方からコメント投稿、嬉しく思います。
ここ最近、当時(1970年代)のThe North Face社製「ダウンシャツ」を思い起こさせる、”もどき”ダウンシャツが各社から発売されているようです。現在のノースフェイスからもレプリカ・ダウンシャツが復刻されてるようですね。
田中さんのお眼鏡にかなう素敵なダウンシャツに出会えることをお祈りします。
1970s The North Face 『Down Shirt』 の兄貴分『Stuffed Shirt』の記事にもこうご期待を!
モンベルさんでインナー使用を前提とした薄手の半袖ダウンがあります。
ダウンベストでは方が寒い時などに重宝します。半袖なので意外に袖が通し易いです。
管理人殿 本年も宜しくお願いします。
寒中お見舞い申し上げます。
本年も引き続きモノシリ沼へのお立ち寄りをよろしくお願いします。
委細は
http://baumdorf.cocolog-nifty.com/gardengarden/2020/10/post-f5f61a.html
のとおりなのですが、唐突に、ご指摘の(記憶が確かならばですが、パンチ・メンズカタログでは、こう呼んでいた)ダウン・ライト・シャツのことを思い出し、ここにたどり着きました。
上記の当方のブログに書いた通り「まだ、残っていてくれれば」と思うアイテムです。
取り急ぎ、リンクのご報告をかねて。
モノシリ沼にお立ち寄りいただき誠にありがとうございます。
リンクのブログ「平成作庭記+α」の”1970年代アウトアあるあるエピソード”を楽しく懐かしく読ませていただきました。
大切にしていたナイロン素材のダウン製品が焚火や火鉢のせいで哀れな結末、といった1970年代の思い出は私にもあります。きむらたかし@三田用水さんのダウンシャツ(ダウン・ライト・シャツ)が悲しい姿になった事件は大変なショックをお受けになったのではないかとご察し申し上げます。
残された古き良き時代のアウトドアウェアと共に豊かな生活をおくられることを願っております。
そちらのブログにモノシリ沼のリンクを貼っていただきありがとうございます。
唐突なコメントにもかかわらず、ご回答ありがとうございました。
ここはまさに「宝箱」。「もしや」と思って、site:: 検索をかけてみましたら…
まさに、間違いなく、このモデルでした。
http://monoblog.555nat.com/?eid=1163303
重ねて、ありがとうございました。