モノシリ沼

555Outdoors LAB.
〜モノシリ沼とはモノにハマるとぬけられない?困った沼。そんな沼人たちの1970年代〜80年代 Made in U.S.A. アウトドア用品の温故知新ブログです〜
<< July 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< Maximum Protection・・・「Golden Mantle」 Marmot Mountain Works マーモット「ゴールデン・マントル」 | main | こんな時代にこそ・・・Sierra Designs 「OCTADOME」 シエラデザイン「オクタードーム」 >>

Made in USA  閑話休題

モノシリ沼 555 Outdoors LAB

徒然考えてみると、いろいろと“ウンチク”の多いアウトドアの道具類ですが、それらが「宣伝されている通りの性能を発揮しているのか?」疑問に思ったことはありませんか?

殊に防水性能は重要になりますが、透湿性能で一番信頼されている「Gore-Tex」を例に考えてみましょう。

第一世代と言われるデビュー当時は“雨を通さず通気性があり蒸れにくい素材”と宣伝されていましたが、通気性があるということは「通風性に通じ、ヒートロス問題」が浮上、また「油に弱い弱点」を克服し第二世代、第三世代と進化しています。

Gore-Texの“管理”は非常に厳密で、納品される前に「メンブレインや生地に傷や汚れがないか」を目視し、ある場合はその箇所に丸い色のシールが張られ、縫製工場では「その生地の数メーターを除いて裁断」していました。

また、縫い目に必ず「シームテープ」を貼りますが、このシームテープ交差部は水が染み出しやすい為、必ず「ホットプレス」という機械で熱を押し当てることが義務づけられていました。

靴に使われるブーティーや手袋のインナーは出荷前に「穴が開いてないかの厳選なテスト」をパスしたものだけが納品されます。

ここからが重要なのですが、その厳選された製品を完成させるのは日本でも海外でも「女性の力」に頼っています。
ここで今縫製している製品は“どのような物で、どんな性能を有するか”を説明する事が肝心なのですが、勿論ミシン針で穴を開けてしまった時は正直に申告することも申し合わせます。
しかし・・・・。
ブーティーやインナーを縫い合わせる過程で、ミシン針が生地に穴を開けたことに気付かない場合、気付いても何枚もの不良品申告することを躊躇った場合、それらは完成された製品として世間に出回ってしまいます。
シームテープの場合は、操業時にコンプレッサーが充分温まっていない、納期に間に合わせる為に貼り付け速度を上げる、テープ交差箇所のプレスし忘れ等々により目止めに充分な接着が出来ていない場合があります。

< 不幸に見舞われた個人的な事例 >

●ダナーライトの場合
Gore-Tex使用で有名なDanner ダナーライトは水溜りに両足を入れ、靴の中に水が入ってこないよな、と思ったのも束の間、左足つま先から浸入。
あまりのショックに30年経った今でもその感触が残っているほどです。

●ゲーティスの場合
Gore-Texを手袋に採用した最初?のブランド ゲーティス、購入当時は高価でした。
これもスノーキャンプやXCスキーツアーでどうも左中指が湿っぽく、しかし、蒸れているのだろうと信じたかったのですが、自宅に戻り台所の食器洗い桶に左手を入れると、シュワーっと中指先端から水が浸入、この感触も忘れられません。

●Marmot Mountain Worksの名品、オールウェザーパーカーの場合
雨の中快適に決まっていると自信満々、雨の日を待ちわびていた程です・・・・・フードと肩のあたりが濡れている気がしましたが、まさかMarmotが雨漏りなんてするわけが無い!と信じ切っていました。
ところが肩の辺りがひどく濡れており、さすがに変だと実感、知り合いの工場に持ち込み本体と裏地の縫い目を解き耐水テストを行うとシームテープから漏水!!
シームテープ全部をホットプレスし直しました。
知り合いが着ていたI○Iオリジナルゴアテックス雨具も同様なことがありました。

< 販売者の訳のわからない対応と無責任 >

こんな時、販売側の説明は大概「蒸れによるもの」とか、「湿度の高い方から低い側へ出るので、着衣の外が湿度が高い場合、湿度の少ない内側へ水分が染み出した」とか、ひどい店員だと「気のせいじゃない?」等と言われてしまい、気が弱い人は「そんなもんなのか」と諦めてしまうか、「Gore-Texなんてこんなものだったんだ」と失望してしまいます。

< いい加減な製造段階 >

テントの防水面も理由があって内側にしているのか、外側にしているのかも疑問です。
生地を裁断する時は何枚も重ねるのですが、その時に裏表を間違える場合もあり、又、縫製時に裏表を間違えているケースさえあるからです。

何枚も重ねた生地を裁断する場合、生地がずれない様に専用の挟み器があるのですが、滑りやすい生地では尚更一番下と一番上部分の生地のカットに「ずれ」が生じます。
同じブランドの同じ製品なのに微妙に大きさが違うと感じたことはありませんか?
それは気のせい、などでは無く本当にサイズが違うのです。

インナーに入れる保温材のカットは、ズレて当たり前、と言いたくなるほど材質が滑ります。
滑って小さくカットされた素材ですが、不思議な事に熟練のおばさん方は、これを器用に縫製し完成させてしまいます。
Sサイズほどの保温材がMサイズのジャケットに収まってしまう縫製技術には驚かされますが、それが微妙なサイズの違いにもなって現れるのが正しい結果です。

いろいろなブランドが企業に買収され、ブランド創業者の手と目が離れた場所で製品が作られる事が多くなった昨今では尚更なのかな、と思う今日この頃。
ただ運が悪いのか、とも思いますが、20数年前にアウトドア製造ライン経験者としては、「作っているのはパートのおばさん達」なんだよなぁ、とシミジミ思います。

にほんブログ村 アウトドアブログ アウトドア用品へ 555nat.com 555nat.comオンラインショップ白猫屋
Gear & Goods | permalink | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |

この記事に対するコメント

まったく、おっしゃる通りですね。

ブランド創業者の愛とポリシーが道具から伝わってきた時代が懐かしいなあ。
創業まもない小さな会社の意気のいい時代はやっぱり道具に愛着が持てるよね。

そんな時代はやっぱり70年代〜80年代ってことになっちゃうよね。

でも、当時より”縫製”だけはよくなったんじゃないの。
沼人1 | 2009/12/03 7:21 PM
1970年代のダウン製品の多くは必ず縫製者の名前の紙タグが縫いこまれていましたよね。
縫製責任者の名前が印刷され縫い付けられていた製品もありました。
読めないサインも多かったけれど、そんなところにも日本とは違う外国製品の香を感じたものです。
synergyworks | 2009/12/04 7:19 PM
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://monoblog.555nat.com/trackback/1163170
この記事に対するトラックバック