世界初のGore-Texグローブ GATES
世界初のGore-Texのテント・パーカを世に送り出したのはEarly Winters、Gore-Texダウン製品はMarmot Mountain Works、靴のDannerがアメリカの著名なアウトドアブランドヒストリーでも記述されていますが、Gore-TexグローブのGATESは確認出来 ません。
地味ながら初のGore-TexグローブはこのGATESと1980年頃の日本では紹介されました。保温材も少なくXCスキーに最適かと躊躇わず購入、「迷ったら買う!」の家訓に迷いはありませんでした。
35年も経ったある日、ふっと手にしたGates、どこを見てもGore-Texの表示も見当たらずもしかすると記憶違いだったのかと解体を決意。慎重に糸を切り分解してみると保温材のシンサレートに被る様に確かにインナーGore-Texはありました。
意気揚々と防水性能確認のためキッチンの食器桶に水をはり、Gatesを入れると指先から漏水があったショックの記憶も今となっては30数年前の出来事となりましたが、その漏水の原因を真っ先に調べるとGore-Texの指先接合部が剥がれているのを発見。縫製時のミスで針穴が開いたものかと推測していたのは電着?が不良だったと判明。家電と同じで初物に初期不良は付きものなのかも知れません。その他も経年劣化なのか接合部が剥がれているところが数か所散見されますが、見た目Gore-Texの生地自体は、変色以外異常はなさそうです。
1980年代後半に購入したLL BeanのGore-Texグローブも発見したのでこちらも気持ち良く解体。
どちらのグローブも本体に比べ異様に大きなGore-Texインナーだと分かります。こちらはインナーに厚めの保温材が使用され、Gore-Texとは指先どうし接着剤で接合されており進歩の跡が見られます。
このグローブインナーGore-Texを手首からカットし水を入れ、圧をかけたのがこちらの写真。
やはり指先と小さな穴から水が噴出してきました。これらを見るとグローブ使用時にストレスのかかる指先がウィークポイントで、その他の小さな穴も同様の原因であると推察できます。
グローブがこの有様だと言うことは更に加重のかかる靴、Gore-Texブーティはどんな状態なのか調べるのも恐ろしいですね。
Gore-Tex登場から数十年・・・改良しながら耐久性や性能も進歩しているのでしょうが、濡れない神話は元寇の神風と同じだと理解し、万が一濡れた場合に対応出来る素材を身に纏う事が肝要かと老婆心ながら進言致します。