レナードの朝 GHURKAの延命と終焉
AuthenticなGHURKAは旅行から日常使いまで幅広く取りそろえた多品種が、旅へ誘うノスタルディックなポスターと手書きイラストカタログで購買欲を刺激しました。今ほど高額な販売価格では無かった1980〜1990年代、カタログ商品を全て揃えるべく渡米の都度数点を主にハリウッドのビバリーヒルズラゲージで購入したのは懐かしい思い出です。
そんな思い入れのあるGHURKAに異変が起きたのは購入後10数年経ったある日、Express No.2の底鋲に錆が出てその後底板がクッキーの様に割れ始め修理技術の未熟な日本の代理店で痛恨の大修理。
ExpressNo2の病が感染したのか、次はHoldall No.101コットンツイルが風化したようにサクサクと裂け始めたのはGHURKAの第一話で書きましたが、その数年後・・・・自然崩壊で大往生を遂げました。
日光に晒されたわけでも無くまったく原因の分からないGHURKAの崩壊、先日そんな話題を元ビバリーヒルズラゲージのAさんに話したところ、やはり大事に使用していたExpress No.2のツイルが風化し裂け始め底板が粉々になったので破棄したとの事。
高温多湿な日本の気候が原因なのかと思っていたのにドライなLAでも同じ事象が起きていたとは驚きです。
ここまで崩壊したHoldall No.101、粉々になったツイルは破棄したもののマーク部分の革を残してしまうのはGHURKA好きならばこその悲しい性なのでしょう。
終焉があれば再生もある・・・・・ふっと頭の中をよぎったのは長年使用したコットン×レザーのWallet INTERNATIONALとClassic Key Caseの再生。ビバリーヒルズラゲージで修理担当者から教えてもらった方法で経年の汚れが薄くなり何とか現役復帰。この作業をしながら思い出したのは映画「レナードの朝」でした。喜びも束の間・・・・・そんな事を考えてしまうのは大事な物が壊れて行く事へのトラウマなのだと思います。