クラフトマンシップ漂う WESTERN MOUNTAINEERING ウェスタン・マウンテンニアリング
1970年代は『WESTERN MOUNTAIN SPORT ウェスタン・マウンテン・スポーツ』の名称で玄人好みの製品を世に送り出し続けている MADE IN U.S.A. の SLEEPING BAG と言えばこの『WESTERN MOUNTAINEERING ウェスタン・マウンテンニアリング』。
1980年代購入のスリーピングバッグ「PUMA SUPER GORE-TEX」。
OVER FILL 4oz.の冬期仕様。
いつもならブランド最高峰の製品を購入するところですが、ターコイズブルーの美しい色と「PUMA」の名称に惹かれ旗艦「BISON」は敢え無く却下。
WM(ウェスタン・マウンテンニアリング略)社の最高峰は今も昔も「VISON」で“Vチューブ構造”の製品ですが、このターコイズブルーのトラディッショナルなラインと「PUMA」の名称の前には購買意欲が萎えてしまったものです。
スリーピングバッグの美しさはそのラインとカラーで機能美の称号を得られるのですが、昨今のスリーピングバッグには残念ながら何ら魅力を感じません。
そんな思い入れのあるWM社ですが、ダウンジャケットからMADE IN CANADAに移行し、SAN JOSEの本社工場はどうなっているのでしょう?
今では数少ない MADE IN U.S.A. がまた消えてしまうと淋しい限りですが、 CANADA MADE なのがせめてもの救いでしょうか。
ダウンプルーフという意味ではGORE-TEX(ゴアテックス)に優る素材はありませんでしたが、生地の価格が高額なのと、レインジャケットのような防水性能より透湿性能を重視したDRY LOFTに変更、バッグ下部の色が黒くなってしまい、少々美しさに翳りを感じますが、ダウンの専門メーカー故の大きなストレージバッグも魅力です。
縫製や細部は『MARMOT MOUNTAIN WORKS マーモット・マウンテン・ワークス』(*現在のMARMOTではありません)と甲乙付け難いクオリティの高さで他社製品を圧倒しています。
撮影の為、10年振りの対面となりましたが、GORE-TEX生地全体に剥離が進んでおり当時の美しかった面影も経年の彼方へ。
あまりにもスリーピングバッグに特化していた印象が強かった為、SAN JOSEは何度も車で通っていながら本社工場を見る機会を逸していたのが心残りです。